山頂から戻られて充実した表情のお客様を見ているとこちらも嬉しくなるのですが、同時にうらやましくも思っていました。
ルートの記憶も曖昧だったので山頂に行く許可を得て、今朝山頂まで行ってきました。
早朝は風が強かったので、6時半ころ小屋を出発しましたが、雪は適度に締まっていて歩きやすかったです。
春霞のようなどんよりとした雲と上空の透き通った青空がせめぎあっていて、ちょうど山頂に着くころはガスに巻かれてしまいました。
下山しているうちに、また青空が勢力を取り戻していきます。
帰りは赤石沢奥壁を観察したり、写真を撮りながら下りました。
二本剣までのルートです。
赤が冬期ルート、青が夏道です。
ちょうど点線部が赤石沢側へ落ちるルンゼです。冬期は下部の大岩を右から巻き、上部でルンゼにコンタクトします。
ルンゼの上に懸垂下降用のアンカーが設置されていますが、下山時、二本剣からアンカーまでの間もルンゼと同等の傾斜があるので注意が必要です。
今回はステップがしっかりできていましたが、部分的に氷化しているところもありました。
この辺りの詳しい情報は、小屋番までお訪ねください。
御来光場からは雪が緩みはじめていて足を取られる場面もありました。
ダケカンバの疎林に入るあたりからは、お尻でヒャッホーした後がありましたが、登りのステップを崩さないことと、安全運転が必要です。適切な技術と雪の状態と次第では、スピーディに下降できる方法ではありますが、ダケカンバなどの障害物も多いので不用意には行わないようにお願いいたします。
これからの時期は雪が緩む時間が早くなると考えられます。特に核心部の下降時に雪が緩んでいるとリスクが高まるので、早朝の行動がおすすめです。
なにはともあれ、山頂はやっぱり気持ちがいいですね。残りの小屋番生活も頑張れそうです。